早尾貴紀:原発震災関連

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<<   作成日時 : 2011/03/20 19:04   >>

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(3月20日、記す)

みなさま

 大阪で避難生活中の早尾です。

 ほんとうはこのメール送信方法は、安否を心配してメールをくださったたくさんの方々に、一人一人返信ができなかったため、BCCで一斉に「無事です」と連絡するとともに、子どもの仙台を離れたことを伝えるためのものでしたし、いまでも近況報告用のつもりです。
 ただ自分自身の脱出とともに、多くの子連れ家族・移動困難者たちの脱出をサポートするときにその支援をみなさまに求めたために、また、脱出とともに受け入れ態勢をつくる側の運動と連動したために、このBCCメールそのものが何か運動のようなものであるかのような印象を与えたかもしれませんが、それは本筋ではありません。

 報告が遅れましたが、昨日のバス二台は無事に到着し、それぞれの受け入れ先である親戚や知人などのいる場所に向かいました。いちばん懸念していた、下痢で衰弱していた母子も今度は乗ることができました。
 他方、昨日になって、都市間バスである仙台ー新潟線が、大大増便をして運行をする、という知らせを受けました。もともと一日数便しかなかったものが、一度に最大6台を何度も発車させるなど、異常な規模となるようです。いかに現在の仙台にとって(つまり空港と駅と港とガソリンを同時に失った「孤立都市」)、新潟ラインが生命線であるのかを示しています。

 逆に言うと、これで「ひとまずは」、三日間・五台にわたる私的なバス・チャーター作戦は、一段落したと思います。昨日も、仙台の学生グループなどから脱出方法の相談が来ましたが、単身の若い学生ということもありますし、新潟線の大増便を情報提供することで済みました。そういうこともあり、今日はバスチャーターはせずにすみ、また明日も予定はありません。
 今後は、しかしなお劣悪な環境化で身動きがとれなかったりしている人はいないか、急な事態の変化はないかなどを気にしつつ、私自身がバスの手配に連日のように動くことはないだろうと思います。

 とはいえ、何がどうなるのかまったく分からず、安心材料は、社会的には早くも!関心が薄れていくなかで、私にはまだ何もないように思えます。
 いろいろな方が、「専門家の情報」を伝えてくださいます。ありがとうございます。最も楽観的なものは、「炉のメルトダウンの危険はない」というもの。一般的にも、大量連続放水、電源確保・接続など、「安心材料」の報道によって、危機意識が薄らいだように感じます。
 しかし、4機とも、冷却システムが作動するという保証がどこにあるのでしょう? 津波に飲み込まれ、大量の海水をドバドバかけられた精密機械が、どうして4機とも機能すると本気で信じられるのか、私には分かりません。そして、もし1機の炉心から最悪のモノが流れ出たときには、すべての原子炉から作業員は退避してしまうのでは? その可能性が、明日とか数日後とか来週とか数週間後とかに、来ないという「科学的」な根拠が示されたことなどあるのでしょうか?
 そういう意味では、その危険水準は、地震当日から現在にいたるまで、原則的には変わっていない、としか言えないと思います。これが私の素人判断です。
 そして、政府・東電が、本当に危険だと明言したときには、何もかもが手遅れになり、移動弱者は取り残されるでしょう。

 ですので、仙台・新潟ラインが大増発された現在、宮城の人たちにその情報を広めるとともに、出たその先に身の寄せ場がない人たちに対し、そうしたシェルター的な居場所があるのだ、ということも広めなくてはなりません。
 この数日は、脱出ルートの確保と脱出者の受け入れとが、同時進行で模索され、居場所がないけど出たいという人に同時に受け入れ相談を担当の赤尾さんにお願いするかたちでやってきましたが、今後はどう受給を結びつけるのか、効果的なかたちを新しく探る必要があると思います。


 それにしてもです。
 昨日からあからさまに空気が変わったことを感じます。特別番組がテレビから消え、どの局でも通常番組に戻り、スポーツ紙のトップもすべて野球ネタに変わってしまいました。三連休となり、計画停電がなくなったことも影響しているかもしれません。また、被災当事者か、広い意味での当事者意識をもつ人でもなければ、緊張感が持続するのは生理的に一週間程度なのか(それぐらいで虚脱してしまう?)、というふうにも感じてしまいます。
 現地情報も「復興モード」や「感動・人情ネタ」に変わり、原発関係の報道もガクッと減ったように感じます。
 それでも、のど元を過ぎるには、あまりにも早すぎではないでしょうか?

 私自身は、東北に戻ることができるかどうかを判断するには、あと一週間や二週間では不可能だと見ています。今日も数件、「早尾君はどう思う?」と聞かれました。「危機のピークは過ぎたような報道の印象を受けるけれど、連休明けには仕事のこともあるので、戻ってみるかどうかを、明日ぐらいまでに判断したいのだけど」、など。わかりません。
 わからないときには、悪いほうを想定して動くべきではないか、と思っています。上にも書きましたように、放水活動も電源確保も、まったく「安心材料」ではない、というふうに感じます。

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