早尾貴紀:原発震災関連

アクセスカウンタ

zoom RSS 避難者たちの集まりと原発について一つの見解

<<   作成日時 : 2011/03/23 10:03   >>

トラックバック 0 / コメント 0

(3月23日、記す)

みなさま

 大阪から早尾です。

 昨日、仙台およびその周辺から自主的に関西へ避難してきた個人・親子ら10人ほどで集まりました。奈良、大阪、京都、神戸、明石にそれぞれ避難中の人たちです。
 子どもどうしも楽しそうにじゃれていたのでよかったです。父子二人だと、私がかなり合理的に、キャッチボールのグローブの出し方はこうだ!、将棋の指し方はこうだ!、二重跳びのコツはこうだ!、と指示してしまうのですが、やはりそれは、子どもどうしの(大人にとって)意味不明なふざけあいとはまったく異質。両方必要なのだと思いました。

 避難した親たちは、それぞれに脱出を決断した瞬間や、そのルートについて、それから脱出するときの周囲の理解/無理解について、それぞれの経験を交換しました。みな似たような悩みをもっています。
 まず、地震から一週間、仙台が置かれた状況が、大都市では起こりえないような異常な封鎖空間になっていたなかで、原発の連続的な爆発という恐怖にさらされたこと。これはなかなかその外の人とは共有しにくい感覚です。
 駅も空港も壊滅し、高速道路も使えず、ガソリンもなく、長距離バスも運行せず、脱出方法がない。電気・ガス・水道も食料もない。そうした状況で、電池を節約して聞くラジオからは原発が危機だというニュースをやっている。何人かは、頭がおかしくなりそうだった、と言いました。
 たんなる放射能への恐怖ではなく、移動手段が皆無で、かつインフラと物資が不足しているという、三重苦がなんとか脱出しなければという決断をさせたとのこと。何人かは、とにかく残りのガソリンで行けるところまで行って、給油ポイントがたまたま見つかって、東北を脱することができ、そのまま車で関西まで来たそうです。

 私には、封鎖都市という点では、ちょっと想起することがあります。
 2002年に全面軍事占領下におかれたパレスチナ西岸地区のナブルスで、外出禁止令によって街から出られなくなったことがありました。24時間、イスラエル軍の戦車や装甲車が走り回り、夜間は照明弾を上げ続け、街の出入り口はすべて厳重な検問がおこなわれていました。どこにも逃げ場所がありません。放射能の恐怖とは異なりますが、封鎖都市に迫る攻撃という点で、脱出のときにナブルスのことを思い出していました。

 それはさておき、避難者たちがやはり口を揃えたのが、出るべきか残るべきか、家族や同僚や近所の人たちとの軋轢でした。残って復興のためにがんばるべきではないのか、耐えればいずれ物資も届く、放射能が怖いといっても退避勧告のずっと外ではないか、と。そういう視線や言葉にさらされたと言います。
 やはり、原発・放射能に対して、今度の地震以前から危機意識をもっていたかどうかが、いま脱出しなければならない、という判断を支持できるかどうかを分けてしまう、という感じがしました。
 そんな思いを、脱出者どうしで共有しつつ、近くこちらでもう少し集まりがもてないか、そんな相談をしました。


 さて、昨日の集まりのなかで、原発問題に詳しい田中優氏と直接面識のある人が、電話で田中氏から以下の分析を得たということで、報告をもらいました。いろいろな「専門家」が違うことを言いますが、この人は信頼に足る人物だと思います。
 あくまで、その人が電話で田中優氏に聞いたことの伝聞であるということ、しかしそれをメールやブログなどに書いてまわしてもいいという許可を得ていることで、その電話インタヴューをされた方のブログに概要が出ています。
 http://newsoul.blog25.fc2.com/blog-entry-390.html

・MOX燃料を使う3号機が爆発するかどうかの山は、冷却によってなんとか越えたのではないか。プルトニウムは比重がかなり重いので、漏れがあったとしても、爆発しなければ、遠方まで飛ぶことはない。

・セシウムについては、1〜6号機すべてから出ているし出つづける。セシウムの放出は今後3ヶ月は続き、セシウムは3ヶ月ほど体内でガンマ線を出すため、最低6ヶ月は人体への危険がある。地震後これまでは、海側へ風が吹くことが多かったのは幸運だった。しかし、夏にかけては南から北に吹くことが多いので、宮城方面は要注意。


 たいへんに難しい判断になります。やはり安全を考えれば、最低半年、仙台に子どもを戻さないということになりますし、他の人々にもこうした分析を、自主的退避を判断する材料として提供しなければなりません。
 これから月末、そして4月上旬にかけて、いろいろな情報や分析を冷静に見聞きして、判断しなければなりません。
 今朝ほど、福島原発からごく近い震源で、大きな地震がありましたね。余震によってなお原発が危機にさらされることもあると思います。まだまだ安心とは言えません。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

避難者たちの集まりと原発について一つの見解 早尾貴紀:原発震災関連/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる