早尾貴紀:原発震災関連

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zoom RSS 身近な放射線量測定/内部被曝について

<<   作成日時 : 2011/05/17 10:46   >>

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みなさま

 BCCで早尾です。

 週末は仙台に戻り、連休明けから仙台に戻った子どもと過ごしました。
 野球好きの子どもは、小学校一年生ながら地元の野球クラブに入り、土日ごとに午後いっぱいをつかって練習に励んでいましたが、3.11地震から二ヶ月遠ざかり、二年生になってしまいました。
 そして復帰の日。練習はお昼からだというのに、朝起きるなりユニフォームに着替え、「キャッチボールしよー」、「バッティングしよー」。ひとしきり汗をかいて、昼食を食べて、集合時間のだいぶ前にいそいそと道具をもって出かけていきました。
 その後ろ姿が曲がり角で見えなくなるまで見送りながら、好きな野球をさせてやるのが優しさなのか、安全第一とばかりに一切外出させずに閉じ込めておくことが優しさなのか。答えの出ない問いに逡巡し続け、その小さくなってゆく後ろ姿を見るのがとてもつらかった。
 土ぼこりの舞うグラウンド上、しかしマスクを付けての運動など不可能ですし、彼から野球を取り上げることもできません。ここに暮らすのであれば、マスクも付けずに野球をする。日常的にマスクで生活しなければならず、野球も取り上げ屋内に閉じ込めなくてはならないのであれば、仙台での生活は無理。やはり避難するしかありません。
 部員には、もう大阪に引っ越してしまった人もいると聞きました。

 土曜日に、子どもが野球に行っているあいだに、宮城県で初めて、子どもの放射線被曝を考える保護者の集いがあり、参加しました。宮城県の最大の問題は、いちばんの地震・津波の被災地であることから、無意識的/意識的に、放射能汚染を「否認」していること。「地震で計測機器が壊れてしまった」とか、「依頼する大学や電力にも余裕がない」とか、「ヘタに測ると風評がたつ」とか、そういう理由をつけてとにかく測ろうとしない。広大な市内で一ヶ所だけ。あるいは県では高層の県庁ビル屋上で測定。もう屋上のセシウムなんて吹き飛ばされるか洗い流されるかして、下に落ちてるのに。
 自主的に測定している人たちは、「青葉区中心部は確かに低めだけど、少し郊外に出るとぜんぜん違う数字が出る。地表面はもっと高くなる。でも、県や市に問い合わせても、必要ないの一点張り。彼らは地表面を一度も測ったことがないうえに、ホットスポットという言葉さえ知らない」、と一様に指摘します。
 その会には教員も複数参加していましたが、各学校の校長・教頭に言っても、彼らは教育委員会の指示待ちで、独自の判断では動けないとのこと。とにかく、県と市に、まず測ってくれと繰り返し要請するところから始めないといけないのです。が、迅速な動きは期待できません。

 ということで、自分で測る。
 入手したガイガーカウンター。保護者の会で別の機種をもっていた人の数値と比べて、ほぼ同じ値を示していたのを確認。市内中心部、0.10マイクロシーベルト前後。およそ公式発表の数字とも近く、機械はほぼ正確なのだろうと判断しました。
 自宅は川沿い、河川敷の草原も隣。屋外では0.12前後の数字を示すので、中心部よりちょっと高め。河川敷に出ると0.16、その草の上だと0.20前後。やはり高くなります。野球をやっているグラウンドの地面も測りました。0.16〜0.18前後を示しました。ビックリするほどの高さではなく少しホッとしましたが、しかしもちろん高めです。
 問題は、家の前の道路の側溝。下り坂がこちらに向かっているので、側溝内部に砂もたっぷり溜まっています。その格子状の蓋の上に計測器を置いて30秒もすると、ピー!ピー!っと警告音が鳴りはじめ、その上下する数値は、0.60〜0.70マイクロシーベルト(0.3以上で危険を知らせる警告音が出る)。
 さらに、家の裏にある物置の雨樋、地表に出ている排出口とその下の砂利。約1.5マイクロシーベルト! 急ぎその砂利を撤去してみましたが、すでにその下の地面まで染み込んでいるのでしょう、1.0以下には下がりません。たぶん何十センチもガバッと掘らないといけない。
 ともあれ、確実に「放射性物質」が飛来し堆積していることがわかりました。子どもにもピーピーと警告音の鳴る計器を見せて、とくに側溝と物置には近づかないことを強く念押し。せいぜいそれぐらいのことしかできませんが。

   *   *   *

 安全を謳う御用学者がよく言うレトリック。「自然界で年間2.4ミリシーベルト浴びている。これぐらいの放射線量は問題ない」。またこれを、ちょっとお勉強しましたという人や、とくに理系の仕事してますという人、放射線を実際扱っていますという人が、受け売りで繰り返す。
 でも、自然界の放射線って、宇宙空間からだったり、天然のラドンやカリウムからのものでしょ? それに、研究とか医療で使う放射線って、一回で透過するんじゃないですか?
 それに対して、セシウムやストロンチウムなんて、ふだんあるはずのない物質が体内に取り込まれることで微量でも被曝するのとは、次元も影響もまったく違う話なのでは? どうしてこんな単純な違いが、「専門家」とか「理系の人」には共有されないのだろうか。
 これは素人考えなのか。あるいは、やはり内部被曝の問題はタブーなのか。

   *   *   * 

 ということで、今日、郡山市で『隠された被曝』の著者、矢ヶ崎克馬氏を招いて、内部被曝の問題について講演会を開催します。
 http://hayao2.at.webry.info/201105/article_4.html

 また、この講演会の様子は、岩上チャンネルの8チャンネルで配信される予定です。
 http://www.ustream.tv/channel/iwj8/

 さらに、矢ヶ崎氏には、宮城県最南部の丸森町へ調査に来ていただきます。福島市や伊達市に接し同様の深刻な汚染が懸念されながら、県境の向こう側ということでこれまで何も対応がされてきませんでしたので、この調査は重要です。
 多忙を極めるなか、急な依頼にもかかわらず、即座に福島に飛んできてくださり、さらに丸森町まで足を運んでくださる矢ヶ崎氏には、感謝あるのみです。

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