早尾貴紀:原発震災関連

アクセスカウンタ

zoom RSS 須賀川から/疲弊と帰郷/矢ケ崎氏の健康被害分析/避難先

<<   作成日時 : 2011/09/30 23:44   >>

トラックバック 0 / コメント 0

原発震災でご心配くださっているみなさま

 いろいろ個人メールをくださった方、ありがとうございます。
 しばらくぶりの福島・須賀川より早尾です。


 3.11以降初めて、実家の母親に顔を見せに来ています。孫はまだ一度も連れてきていませんけれども。
(矢ケ崎氏講演とか避難支援活動で郡山と須賀川には来ていたのですが、実家をスルーしてました。ごめん。)

 すると、偶然のことですが、法事で福島市渡利にいるおじ・おばが須賀川に来ていました。子どものいないこの夫婦に小さい頃僕は本当によくかわいがってもらっていて、毎年夏休みは一週間ぐらい渡利に泊まりに行っていました。
 そんな子どもだった僕も子どもの親となり、このおじ・おばから「来年はお前の子どもを連れてこい。近くに小鳥の森っていう場所があって、毎日虫捕りとかで遊ばせてやるから、一週間ぐらい預かってやる」。そう言われたのは去年のこと。今年の夏を楽しみにしていたのですが、もちろんその話はもうかなわないものとなりました。今日会ったおじ・おばは、まったく逆に、「子どもは連れてくるなよ。ぜったい連れてくるなよ」。
 僕は、「分かってる。頼まれたって連れていかないから大丈夫」。
 ホント悲しい現実です。そして、そんな場所に、いまもなおたくさんの子どもたちが残っているということが、直視し難い過酷さです。

 須賀川では、明日の午前、子どものみの疎開も視野に入れている母子家庭から避難相談を受けることになっています。子どもの不安を考えると、また離れている親の側のツラさもかなりあるので、そういうマイナス面も含めて経験を伝えつつ、やむをえない選択肢として実際に子どものみでの疎開も可能だということを話してこようと思います。


 このかんしばらく、札幌から神戸までのあいだで、いろいろ講演をしたり、避難相談を受けたり、避難者どうしの集まりをもってきました。
 3.11から半年が過ぎ、早い段階で避難してこられた方々は、避難生活が数ヶ月から半年になるわけでして、経済的に限界が来たり、先行きの見えなさに疲弊したり、放射能被曝への感覚を摩滅させたりして、もとの場所に戻ったという人が増え、戻りたいという声が聞こえてきます。北海道の寒さや関西の暑さも影響していますし、政府や自治体が帰郷を推奨する宣伝をしていることも圧力になっているでしょう。
 また、健康被害が出るのが晩発的である、つまり数年先にならないと明確に被害が見えてこないことも、危機感を維持することを難しくしていると思います。


 しかし、あちこちから届く情報や分析をよく読むと、まだまだ余談を許さない状況だと思います。
 なかでも注目すべきは、9月28日付けの琉球新報に掲載された矢ヶ崎克馬氏の分析です。

「福島・郡山市土壌汚染濃度 チェルノブイリ被害地匹敵」 

 いや、実は矢ケ崎氏からは9月半ばに、宅ファイル便で分析論考をいただいていたのでした。郡山と仙台で講演をしていただいた縁もあって、送っていただいたのですが、その恐ろしい内容を要約して広めなければならないと思っているうちに日にちが過ぎてしまいました。ちょうど紹介記事が出ましたので、手抜きで便乗させてもらいます。ぜひ上記記事をお読みください。
 福島県の中通りの福島市・郡山市などでは、甲状腺癌のみならず、免疫低下による健康被害はもう確実に避けえない、チェルノブイリと比較したデータからそう予測せざるをえない、だから当該地域からは遠方に避難しなければならない、そういう分析です。


 しかし、どこに逃げればいいのか。
 札幌から神戸まで動き回っていて感じたのは、「絶対的な安全圏」などもはやないということ。チェルノブイリの経験から分かることは、放射性物質は放出されれば地球上をグルグル回るほどに拡散するということ。矢ケ崎氏も、「風速4m/秒ぐらいの風で1500kmは飛びます」と言っていました。微量の放射性物質は、北海道から沖縄まで日本列島のみならず、海外にだって当然届いています。まったく汚染されていない場所、完全に安全な場所など存在しない。
 ですから、あとはそれぞれの与えられた条件で、どこかで線引きをして居を定めつつ、食べ物に気をつけ、内部被曝を避けるということ。これは、どこに住んでいても油断はできないことだと思います。
 ただ、やはりそれでも程度問題はあって、早川由紀夫氏の汚染地図を見ても、100km圏内は住まないほうがいいと思いますし、とりわけ福島県の高濃度汚染地帯(中通り含む)からは子どもたちは、いまからでも避難したほうがいいと思います。

 あとはその先は、局地的ないわゆる「ホットスポット」を除けば、どの地域に移住するのかは、それぞれの与えられた諸条件次第で、各自の判断になるのだと思います。東京を避難地にする人もいれば、東京ではダメだという人もいる。べつにこれが「正解」ということはない。もはや日本列島は全体がそういう場所になってしまったのだということなのです。


 さて、明日、「10.1森下で織る希望―放射能汚染の現実を超えて」で何を話すのかを考えなくてはなりません。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

須賀川から/疲弊と帰郷/矢ケ崎氏の健康被害分析/避難先 早尾貴紀:原発震災関連/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる