早尾貴紀:原発震災関連

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zoom RSS 支援法市民会議に出した意見:対象地域は「宮城県全域」も加えよ

<<   作成日時 : 2012/11/27 22:14   >>

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「原発事故子ども・被災者支援法」という法律が制定されて半年。その支援対象地域も定まらない理念法であるため、市民団体の連合体「支援法市民会議」が政府や関係省庁に「提言」を出すとのこと。
 基本「一般公衆の被曝上限である追加被曝線量年間1ミリシーベルトに達する地域」に加えて、汚染の軽微な南会津地方なども福島県民を分断しないように「福島県全域」とするようにと加えています。これはこれでまっとうな要求だと思います。

 しかし、他方で、支援対象地域(もし認められればですが)に指定される南会津よりも汚染の酷い地域が、対象に含まれないとか、含めるよう要求する対象からも外れる、という事態が生じます。端的に言えば、宮城県の中部です。

 宮城県の南部(丸森・角田・白石など)と北部(栗原・登米など)は土壌汚染が酷いのですが、プルーム通過時の天候が左右したためか、仙台市などの中部は比較的汚染の程度が低いのです。しかし、汚染がないわけではありません。500ベクレル/kg前後はありますし、局所的に高いところは各地にあります。また初期被曝については甲状腺被曝量から推定して、仙台方面はかなり高いだろうことが指摘されています。汚染食品の流通についても、宮城県産の食品は福島県産に次いで二番目に多い状況が続いています。

 加えて、「分断を避ける」という観点で言えば、南部と北部が支援対象となって中部が外れるという事態は、宮城県の中部だけは「原発事故被災地ではない」というとんでもないことになってしまい、深刻な分断を生み出します。

 それもあって、市民会議の「提言」に、「宮城県全域も対象とすべき」と以下のように意見を出しましたが、今日の院内集会まで日数がなかったためなのか(直前に言った僕も悪いのですが)、何の応答もなくスルーされました。
 また機会を見て言うつもりですが、自分のための記録としても、また問題喚起のためにも、ここに出しておきます。

支援対象地域について、私のところに届いている意見などから、ぜひ反映させていただきたい点を書いておきます。

福島県については、南会津地域など放射線量がひじょうに低い地域があるが、県民の分断を避けるために、福島県全体を支援対象地域とすべきである、という見解がこれまで出されています。

分断を避けるという観点で言えば、宮城県も汚染の酷いのは北部と南部で、中部が比較的線量が低いということで、支援対象地域から外されてしまうのはきわめて問題が大きいと言えます。宮城県は、北部の栗原・登米と、南部の丸森・角田・岩沼とが、土壌汚染が酷いわけですが、しかし土壌への沈着は放射性プルームの拡散時の天候に左右されただけで、仙台市など宮城県の中部も初期被曝はかなり高いはずだという警告がなされています。また、中部の土壌汚染も一定程度あります。

にもかかわらず、南会津が支援対象となり、それよりも汚染の実態の酷い地域が対象から外れるということになれば、ただでさえ福島県の周辺県の「見捨てられ感」があるのに、それを強固なものにしてしまうことになりますし、実際に政府によって支援対象に認められるかどうかは別としても、対象地域の要望を出すときに、市民運動の側から分断を容認する内容のものを提出することは、宮城県住民に対して禍根を残すことになると思います。

最大の地震被害と津波被害を受けたうえに、福島県に次ぐ放射能被害という重複被害を受けた宮城県については、その疲弊した現状のなかで支援なしには放射能対策をする余力がないという事情に照らしても、市民会議から出す支援対象地域として、「宮城県全体」とすべきであると考えます。

繰り返しますが、実際に認められるかどうかは別として、市民サイドの要望に入れないということが、さらなる「見捨てられ感」と「分断」を生み出してしまうということを懸念しています。

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