早尾貴紀:原発震災関連

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zoom RSS 韓国・非核平和大会/汚染と除染の現在

<<   作成日時 : 2012/03/22 22:11   >>

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日頃ご心配くださっているみなさま、原発震災でご連絡くださったみなさまへ

 ソウルより早尾です。
 昨年3月以来、不定期でBCCでお送りしているメールです。


1、韓国の非核・平和大会

 韓国に入国しました。「2012 陜川非核・平和大会」に参加するためです(23・24日)。
 韓国人ヒバクシャ、福島・広島・長崎、ビキニ島、チェルノブイリなどのヒバクシャたちが証言する集会があり、私もそこで話をするのと司会を務めるため、招かれました。武藤類子さん、高橋哲哉さん、徐京植さんらとともに来ています。
・大会の日本語の案内掲示板
 http://cafe432.daum.net/_c21_/bbs_list?grpid=1P6vp&fldid=QlPD

 証言者の入国拒否者が出ているという事前情報もあり、大会参加については入国できるまで書かないでいました。韓国では、ちょうど「核・安保サミット」が開催されており、対抗運動としての反核の盛り上がりに対して警戒が高まっています。
 同様のことはインドでも聞きました。原発建設予定地での集会に呼ばれた「子ども福島」のメンバーが入国拒否に遭ったとのこと。世界の原発推進国が福島の事故を契機に、反核への流れが強まることを恐れています。
 それにしても、入国拒否の可能性を感じながら入管を通過するというのは、イスラエル入国を思い出させられました。毎回、心臓をバクバクさせながら、パスポートに査証を押されて返されるのを待つ、いやーな感じ。
 いま原発・核兵器保有国の国境は、「福島」に関わっている者に対して閉ざされていこうとしているのかもしれません。


2、汚染の移動と除染の無理

 3.11から一年を過ぎた今月半ば、気になるニュースが流れました。
 宮城県仙台市内のある小学校の校庭の空間線量で、国の除染基準値である毎時0.23マイクロシーベルトを超える0.33マイクロシーベルトを計測したため、除染をすることになった、というものです。汚染分布状況からの推測ですが、おそらく福島原発から新たに飛んで降り積もったのではなく、周囲の環境から風などで舞い上がって吹き溜まってしまったのだろうと見られています。
 それにしても高すぎます。しかも一年も過ぎてからの上昇です。この地域で0.3マイクロなんていう数字は、事故発生から一ヶ月内ぐらいなら理解できますが、その後はずっと0.1を切っていたはずの地域です。いつからこんな数字になっていたのでしょう。そのかん子どもたちは普通に校庭を使っていたでしょう。そしてこんなふうに線量が上昇している学校や公園が、宮城県や福島県の、あるいは栃木県や茨城県のあちこちに存在しているかもしれなくて、しかも校庭だけ除染したところで、また何度でもどこからか吹き溜まっては汚染が悪化するかもしれないのです。

 除染に関しては、こんなニュースにも接しました。このかん連続して、福島・郡山・須賀川で避難相談会をやってきたわけですが、そのたびに福島民報など地元紙を読みます。須賀川の実家でまとめて何日分か読んだりします。
 すると、除染関係の記事が異様に多い。どこどこで市民除染実施、どこどこで除染講習会開催、などなど。とくに目を剥いて驚いたのは、「除染で線量一割低減に成功」という見出しとともに、マスク姿でデッキブラシを並んで持って道路をこすっている市民の写真!
 僕もデッキブラシを握って道路をこすってみたことがありました。一年近く前のことですが。そしてすぐに徒労を覚えてやめました。目の前から放射性物質を少しばかり飛び散らしてみたり流してみたりしたところで、線量は一定以上は下がらないこと、じきに線量は元に戻ること、どこかの溜まり場に超ホットスポットをつくってしまうこと、作業によって作業員や周辺住民をかえって被曝させてしまうこと、などなど諸リスクが次第にわかっていきました。そうして、できもしない除染を言うことで避難が妨げられるという懸念が指摘されたのも、「飛び散らせない除染」の試みが模索されていったのも、去年の夏前のことだったと思います。
 ですので、町民ボランティア除染で一割低減に成功、なんていうことが、好意的に写真入りで紹介されるのを3.11から一年後に見せられると、まるで何かのパロディかSFかと頭が混乱してしまうほどの衝撃を覚えてしまうのです(「町民」が、「一割減」で、「成功」!)。ここには時間は流れていないのか、と。
 でもそれは、「外」からの視点。そこに住んでいる人の「日常」はそうではないのです。元の日常がとうに失われ、異常が日常へと倒錯している世界。

 相談会で複数の方からこういう話も聞きました。各町内会に50万円が、「除染費用」としてばらまかれている。2月末までに使い切らなければならない。これでデッキブラシやマスクや洗浄機を買って各自で除染をしろという。環境省が除染取り組みの宣言をしてはみたものの(安全キャンペーンの一環として)、しかし実際には町内会の素人除染に「丸投げ」なわけです。これで被曝地帯にとどまれというわけですから、本当に非人道的です。
 これが、上記新聞記事の裏側です。

 他方で、環境省は除染費用として5000億円を概算要求したとの報道。事業利権も絡んでのこと。除染ビジネスと言われるゆえんです。そうやって汚染地帯に人びとを縛りつけ続けています。人権を無視して被曝させ続けているのです。心底恐ろしいことだと思います。
 ところが、その同じお金をかけるなら、5000億円で、一人50万円の避難・移住費用、つまり移動・引っ越し・生活建て直しの初期費用を出したとして、100万人に配分できるのです! そんなことを夢想します。

 3.11から一年が過ぎても、汚染地帯から人が移動することばかりを考える日々です。(みなさんからのカンパは、上記ほどの規模ではありませんが、汚染地帯から人が出るために使わせてもらっています。ありがとうございます。)

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